天に伸びる滝の流れを眺めた人々は、天に上る龍を想起した…。
白々龍神(シララ龍神)について
布引の滝の伝説に関する記事の最後に触れた白々龍神について、妙に気になったので再訪レポート。
テレワーク疲れを癒すべくハーブ園に赴くぞ!という後付け理由も準備し、久々の晴天の中、いざ白々龍神へ。
さて、今回こそは『龍神の祈り』の真意をつかむことはできるのか…!?
白々龍神の場所は?
意外と、Googleマップにも既に登録がありました。
私が今回選んだ、ハーブ園から下っていくコースもありますが、新神戸駅から上がっていくのがもっとも訪れやすいかと思います。
ハイキングコースを上がると雄滝に向かう道と、見晴らし展望台に向かう分かれ道がありますが、見晴らし展望台に向かって上がると、白々龍神の祠への脇道が現れます。
脇道に入ってすぐに祠は見えます。
ここにあるもの
主にここにあるのは、役小角の像、白々龍神の祠、そして龍神の祈り看板です。
役小角の像
初学者につき「だれ?」って思いましたが、近くに貼られていた「神変大菩薩様御真言」を頼りに調べると、わかりました。
神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)=役行者(えんのぎょうじゃ)=役小角(えんのおづぬ)の像だった様です。
修験道の開祖ということなので、登山する方には結構メジャーなのでしょうか?
本題じゃないので、この辺で。
白々龍神の祠
役小角の像の写真でもわかりますが、ここの祠は管理されている方が居る、あるいは自治的に管理されている様です。
前回訪れた際にもお供え物がありました。
また、それぞれの正面に結び付けられている鈴が、同じ形なのが気になります。
しかしこちらも本題じゃないためサラッと。
龍神の祈り
本題!
屋根の柱に打ち付けられた看板『龍神の祈り』。
突然現れた、雰囲気のある祠、そして謎の祈り看板…ゾクッとくる方も多いはず。
以下、『龍神の祈り』全文を書き出します。()内は読み仮名。
龍神の祈り
布引の滝の神白々龍神
あやにえやし 白々(シララ)龍神
天かけり 海面(ウナモ)なばしてかけりゆく
よろずみ力 つかさどる
白々(シララ)大龍神 地のへもろ魂集(タマツド)いなし
黒雲覆(オウ)う現(ウツ)し世の 邪心(ヨコシマ)ふきなびけ
さいぎの心打ち払らい
真魂(マダマ)ふるいて わき立たし
モハラま力 え さしめ給えと
モハラ モハラに 乞いのみまつる
白々(シララ)龍神 み力ちはえて
いやさかえませ
白々龍神 み力ちはえて
いやさかえませ
『龍神の祈り』徹底適当考察!
外観
さあ、無責任に考察していきましょう。
まずは外観から。
祠の手前には屋根が建てられています。
祠自体に屋根はかかっておらず、開放感が保たれております(?)。
おそらく、管理者や来訪者のための屋根なのでしょう。
白というありふれた色ではあるものの、屋根の骨組みと龍神の祈り看板は、同じ色合いです。
木に下地なしにペンキ塗った感じ。
屋根と同時期の制作なのかもしれません。
その辺の人が勝手に貼り付けた という感じとは違うかなと。
しかし字面は、その辺の人が書いた という感じ。
プロダクト品質ではなく、マッキー太字で書きました という様相。
「神変大菩薩様御真言」は筆の覚えがある方が、筆ペンで書いたという感じなので、別人が書いたと思われます。
また一部の文字は消えてしまったのか、書き直したのかなとみられる個所も。
祈り 本文について
さっそくサッパリですよね。
あやにえやし
Google先生によれば、
あやに … 奇に。なんとも不思議に。言い表しようがなく。むやみに。ひどく。
えや … ~か。どうして~か。~できようか。(疑問・反語の意を表す)
し … する 的な?
何か言葉完結してない感じ?
意訳して、「えげつな~」みたいな?
この後に続く龍神の様々な凄味を、一言で最初に伝えている、冒頭文って感じでしょうか。
その後の色々な龍神の御力は、記事で触れた伝説と重なりますね。
ここは普通に、同じ流れを汲んでいると考えて良いでしょう。
白々龍神=大竜王=弁財天=乙姫 ですね。
そして気になる「モハラ」。
検索すると、ハワイ語のモハラが云々というのが見当たりますが、急にハワイ語ってことは無いと思うので、古語として当たってみましょう。
もはら … 全。もっぱら(専ら)。
でしょうか。
意味的にも通じていて、
モハラま力 えさしめ給えと
→その力の全てを(もしくはその全能の力を以て?)私に得させてほしいと
モハラモハラに 乞いのみまつる
→ただただ(もっぱらもっぱら)願います
てな感じ?
モハラが何故か片仮名なので、敢えてダブルミーニングとして読んでみました。
しかしこの二行については、正直うまく解釈できてません。
現時点での解釈としては、前半は龍神の偉大さについて語り、そして中盤、
さいぎの心打ち払い
から主語が祈り主に変わり、具体的な「祈り」が始まるのだと考えています。
とすると、この後の解釈が割れます。
モハラま力 えさしめ給えと
…要は「何を得たいか」という祈りだと思うのですが、
祈り主が、龍神の力が欲しいという祈りなのか?
それとも、龍神の力に更なる力を得てほしいという祈りなのか?
古語に詳しければわかるんでしょうけど、謎が残るのもまたヨシ!
この違いで、祈りの主の人格が、ガラリと変わっちゃいますね~。
結論
といくつか見てきましたが、『龍神の祈り』は終始リズム良く流れ、後半にはモハラのダブルミーニング。
そして最後の4行はリフレイン(繰り返される)…となると、これはまさしく「サビ」…ッ!
つまり、断定して良いでしょう。
『龍神の祈り』=ラップ です。
さいごに
龍の御力…詩…ときて、ふとRhapsody of Fireの『Power Of The Dragonflame』を思い出しました。
久々に聴くとアツいなw
唐突な曲紹介!
学生時代はよくメタル聴いてました。
神戸に熱狂する人です。
神戸をより深く知るべく、歴史を知り、伝説の地を巡ったり、時にはオカルト的な都市伝説的なトピックも取り上げていきます。
神戸以外のネタもたまに。
カメラ持って歩くのが好きなので、普通に神戸の新しいトピックも上げます。
内容とは全く沿わない、ITエンジニアを本業としています。
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