神戸伝説の地巡り 「空観堂」今なお篤く信仰される空観上人

温故

空観堂について

「空観堂」は、神戸市灘区の王子公園近くにある、地元の方に愛されている感のあふれるお堂です。

先日ご紹介した鬼塚と同じく、「灘百選」に選ばれているようです。

行き方

阪急王子公園を降りて山側を東に歩き、摩耶商店街をずんずんと上がっていく…

上がり続け、酒屋さんを横目に更に上がっていくと……

何かが始まりそうなゲートが見つかります。

この先に何があるのか知らなければ、入るのが憚られることでしょう。

「右 空観上人」と書いてあるのでしょうか。
ここ最近で位置が変わったそうなので、右というのは、その頃の名残かな…。

そしてこのゲートの先に、「空観堂」はあります。

たっくさんの千羽鶴とともに、空観上人が祀られています。

なぜ千羽鶴なのか?は、今回ご紹介する空観上人の功績に理由があるものと考えられます。

空観上人の逸話

空観上人は、1635年に空観堂のある畑原に生まれたお坊さんです。
様々な過酷な修行を通し、仏教の奥義や神道の極意を修得し、理観上人(理観阿闍梨)や空観上人とも呼ばれるようになりました。

彼はその修行のなかで身につけた霊力をもって、江戸に渡った際には様々な病を抱える人々を祈祷で治し、崇敬する者も多くいる人物となりました。
寺社奉行(江戸幕府にて寺社の運営や管理を執り行った重要職)に取り調べを受けた際には、奇跡を披露し、やがて奉行は空観を崇敬するようになったとされています。

数々の評判を聞いた時の将軍:徳川家綱は空観の影響力を恐れ、空観の故郷畑原の青山家に監護対象として預けることとしたそうです。
しかしその頃の巷では病が流行しており、空観の奇跡を求める人々の声が高まりに高まった結果、青山家も抑えることができなくなり、空観の霊力無双が再び世を席捲したのでした。

そんな空観上人を慕う人々によって造られたのが、この「空観堂」なのでしょう……。

空観堂に訪れる人々

空観堂には、沢山の千羽鶴が掛けられています。
そして敷かれた石には、病が治ることを願う文字が刻まれたものが散見されます。
また、石を持ち帰り、患部を石でさすると病が治るといった言い伝えもあるようです。

空観上人の逸話を知った今では、これらが彼の功績による「空観様が病を治してくださる」という信仰だとすんなり理解できますね。

私も大病を患った時には、伺わせていただきます!
そして、空観堂を守ってくださっている方々に、感謝!

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