神戸伝説の地巡り 「鵺塚(ぬえづか)」源三位・源頼政の怪物退治伝説

温故

鵺塚とは

「鵺塚(ぬえ塚、ぬゑ塚)」は、阪神芦屋駅から南に出て芦屋川沿いに進み、ほど近くにある芦屋公園内にある、石碑です。

芦屋公園を南側にずんずん進み、テニスコートまでは行かない辺りにあるのですが、正直見つけにくいです!
ということで、目印代わりに写真を並べておきます。

芦屋川沿いは、歩いているだけで楽しい気分になりますね。

しばらく進むと、芦屋公園に到着。さらに南へ進みましょう。
松の木がたくさんです。松ぼっくり集めたい人はぜひコチラへ。
(取って良いものか知らんけど)

途中、震災のモニュメントや日中友好平和の記念碑などを横目にしながら、ずんずん進みます。
すると、公衆トイレ近くにひっそりと佇む看板が…!

これが鵺塚!

地図的に言うとこの辺!

源頼政の怪物退治伝説

鵺塚は、『平家物語』で扱われている怪物退治のお話と、深い関わりがあります。

仁平三年(1153年)の夏、近衛天皇は不可解な病に悩まされていた。
毎晩深夜になると、空に黒雲が湧き、不気味な鳴き声が響き渡ることが続いたことで、毎晩のように怯えていた天皇は、調子を悪くしてしまったのだ。
僧が祈祷をしようと効き目はなく、側近たちは「きっと妖怪のしわざに違いない」と、弓の名手である源頼政に退治を命じた。
そして到着のその夜、頼政は怪物と対峙する。
外せば命はないだろう、と覚悟を決めて放たれた矢は見事に命中し、怪物は雲間から落ちてきた。
落ちた怪物を、頼政の家臣である猪早太が刀でとどめを刺し、明かりで確認したところ、怪物の姿が明らかとなる。
「頭は猿、躯は狸、尾は蛇、手足は虎の如くにて、鳴く声鵺にぞ似たりける。」
京の都の人々は、怪物の祟りを恐れ、亡骸はバラバラにして船に乗せ、鴨川に流した。
それが流れ着いた先が、芦屋川と住吉川の間のあたりの浜だったという。
芦屋の人々は怪物を葬り、やがてそのお墓は鵺塚と呼ばれるようになった。
(元の鵺塚はすでに取り壊されており、今の鵺塚は後世につくられたもの)

とてつもないルックス…。
その異形さ故か、鵺はゲームの世界でもちょこちょこ目にします。
最近だと、仁王で見ました。伝説に忠実なひどい(良い意味で)デザインでしたね。

鵺は鵺じゃない??

ところで平家物語には、「鵺に似た声で鳴く怪物」というニュアンスで書かれていることが引っ掛かります。
そもそも、ルックス的に「夜鳥」って違和感パないです。

どうやら書いてある通り、鵺はまた別に居て、書いてある通りそれに似た鳴き声をした怪物だったようです。
伝説のインパクトに圧され、鵺イコール前述のルックスの怪物と認知されるようになったみたいです。

そして鵺はたぶん、夜に鳴くと不吉に聞こえちゃう感じの、変な声の鳥っぽいです。
どんなに忌み嫌われようと、後世でとんでもないルックスの怪物呼ばわりされてる鵺さんが、不憫すぎる…。
なんてことを、帰路に眺めていた、芦屋川で泳ぐ可愛いカルガモを見ながら考えてました。

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